名作うしろ読みから見た坊ちゃん

Posted on : 2013年2月14日 | post in : 60 : 書籍 |Leave a reply |

2013-02-14 10:23:59

「名作うしろ読み」斎藤美奈子著

「坊ちゃん」
「我輩は猫である」などとともに、夏目漱石の書いた名作であるが
女史が言うように、なぜ坊ちゃんかと考えたことはなかった。
校長の狸、教頭の赤シャツ、同僚のうらなり、のだいこ、山嵐、
うらなりの婚約者のマドンナ・・・
作中にはあだ名で呼ばれる多くの人物が登場する。

では、坊ちゃん自身は「おれ」という一人称小説
ちなみに、中学の悪童たちがつけたあだ名は赤手拭

何故に坊ちゃんなのか?

いつでも坊ちゃんの味方だったばあやの清が
清たけが、彼のことを坊ちゃんと呼んでいたのである。
それだけのことで、坊ちゃんというタイトルにしたのは
女史は、坊ちゃんという小説が
勧善懲悪を書いた小説ではなく
一度は書きかけて挫折した清への長い手紙
あるいは追悼であったのではないか?
こう述べている。

前から読めば、冒頭の
親譲りの無鉄砲で子供の時から損ばかりしている
この一文によって、主人公は、快活な熱血漢だと思ってしまうが
後ろから読めば・・・・
この小説は暗さを秘めた敗者の文学で
主人公にとってのマドンナは清、
だから小説は、松山ではなく
東京の墓の話で終わるという。

冒頭の一発によってつけられたイメージは
物事の本質を変えてしまう
だから、後ろから読み直して
事の真実を見極めようということなのだろう。

この書は、読売新聞夕刊コラムに
連載されてきたものをまとめたものだという。
これ以外にも、名作を違った角度から眺めた
ショートストーリー満載の楽しい本だですね





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