山崎豊子遺作「約束の海」が問うていること

Posted on : 2014年3月18日 | post in : 60 : 書籍 |Leave a reply |

2014-03-18 12:20:28

「不毛地帯」も 山崎豊子の作品

伊藤忠商事の元会長瀬島龍三がモデルといわれるが
生前、瀬島と親交のあった著者の書によれば
シベリアでのことなど、
主人公の壹岐正壱岐正元帝国陸軍中佐は、
かなり好意的に書かれているように感じた 

もちろん、山崎作品は、モデルはあっても
フィクションだから、そこを追求することはないが
実在人物をモデルとしていれば
その周囲の人もモデルとして描かれていおり
交差するところがあれば、
一方を好意的に書けば
他方は、反好意的になってしまうことがあり
モデルが実在するノンフィクション作品は
読みても注意して読まないとけないのだろう

さて、数々の大作を世に送り出してきた
山崎豊子さんが亡くなってから 半年がたち
遺作となった「約束の海」を手にした

3部作のなかの第一部が完結、
自衛隊の潜水艇と瑠璃船漁船の衝突事故を描きながら
戦わない自衛隊(軍隊)のあり様を問うている

主人公の花巻朔太郎は、若き海上自衛官
彼が任務中の事故であり
彼の側から書かれており
読み手としては、事故の原因について
自衛隊に肩入れしがちになる

「空飛ぶ広報室」を読んだ時も
自衛隊よりになったのを思い出す

民主党政権を経て、
自民党政権に揺り戻しがあった現在
日中、日韓関係等もギクシャクしている

自衛隊の将来像について
戦後もっとも議論を尽くさねばならない今
山崎豊子さんが志半ばで
急逝されたのは残念でならない

しかし、そこは大作を記していく作家
「約束の海」の巻末には
テーマ完結までの構想が記してある
女史がどう書きたかったのか
読者がひとりひとりじっくり
考えてみなさいということかもしれない 

モデルはあるとはいえ、フィクションであり
壮大な平和と軍隊をテーマであり
誰かに、影響されるのではなく
ひとりひとりが
責任持って考えるべきテーマなのだから

山崎豊子さんの遺作「約束の海」は
我々に、最も大切なきっかけを残してくれた

 
 





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